「要求を言います。

死んだはずの父が生きている。行方を探す手がかりは、形見に残された16世紀の航海日誌だけ。

鞠小路鞠夫―私が密かに思いを寄せる内気な腹話術師・朝永嘉夫が操る人形の名前です。出会ったのは幼稚園のクリスマス会。

訳の分からぬ“大がかりな”事件を調べるりんの元へ訪れた青年みはるは、人の心の奥にわだかまる不審事を当人に推理展開させ、真相を喋らせてしまう“超能力者”だった。

銀座の交番で訊ねてきた若い女性が、突然苦しみだし死亡した。何者かに青酸カプセルを飲まされたらしい。

「なぜ、来てくれなかったの。あなたしか頼む人がいなかったから、助けて下さいと、お願いしたのに。

私立探偵・橋本豊に奇妙な依頼が…。服役中の殺人犯・浜田功は無実だ。

渓谷を走る七輌編成の列車から、六輌目だけが抜きとられ、三十六人の乗客と共に消えた。

人を捜していただきたいのです―石神探偵事務所の野上英太郎を訪ねてきた黒ずくめの女・鈴木道子は一枚の古い写真をとり出し、そこに写っている少年の行方の調査を依頼した。

「至急助けが要る。きわめて重大なことがわかった。

フォークナー兄弟の週末パーティーに招かれたマリリーは、翌日、弟ジョージが寝室で喉を掻き切られているのを発見した。

世界的ヴァイオリニスト江原信州子の愛用したストラディバリが盗まれた。

復讐してやる―旗本良介は怒りの中から立ち上がった。

暴力団・黒門組に宣戦布告した旗本元中隊長率いる七人の老兵士たちは、往年の戦闘に目覚め、恐るべき“戦いのプロ”となっていた。

ニュー・ヒロー誕生―名は水乃紗杜留。常識的な人のあいだでは、奇人・変人扱いされる二十八歳、独身の美男子である。

ある晩、女性の悲鳴を聞いた僕は、駆けつけた部屋で美女の死体を発見。折悪しく住人に見つかり犯人と間違われてしまう。

近未来を舞台にして、巨大組織と一匹狼が華々しく死闘を展開。直木賞作家の最新SF的ハードボイルド巨編。

枝垂れ桜で知られる東北の小京都・角館で、白骨死体が発見された。

汚れきった「レインコート」を手放せない男は、なぜか、母の死んだ「島」を執拗に目指して旅をする。山狭を走る夜汽車。

日本シリーズを目前に控えた東京ヒーローズの桂監督が、東京タワーで不可解な失踪を遂げた。

慶応3年(1867)11月15日。坂本龍馬、凶刃に倒れる。

夏の暑い日、女子大生の鈴木かおるは、アパートの隣室に無断で入り込んでいた女を殺してしまった。かおるは遺体を処分。

青年医師が、治療に、殺人事件の解決に、存分の腕を揮う「ローマ詩人の死」、美貌の助産婦が連続殺人の真相に迫る「アテナイの惨劇」ほか、「ベルリンに消えた女」「ロンドン・霧の底の殺人」を収録する異色作品集。

錆びた日々の亀裂。平凡に生きようとした男の胸になにが去来したのか。

信じられない。まさか、こんなSFめいたことが実際に起こるなんて…。

カウンセラーのアリスがいまいちばん心配しているのは、両親から虐待を受けている十七歳の少女シェリーのことだ。

母語が思考を枠づける、とするサピア、ウォーフの言語決定論を実証的にしりぞけ、言語本能説の前提として、人は普遍的な心的言語で思考することをまず洞察する。

「ヒミコは殺された」―古代史研究家が謎の言葉を遺して殺害された。だが、犯行現場は完全な密室。

画家・泉弘人が、妻・道江の後を追って自殺。

幡随院長兵衛が何者かに襲われた。

騎士階級の男が殺される事件が続発していた。

千絵のパパ・松本尚二が会社の屋上から飛び降り自殺した。千絵にはそれが信じられなかった。

私立K女子高校。早朝の教室で、ひとりの生徒が手首を切って自殺しているのが発見された。

おれの名は松平利春。不幸な死体(ホトケさん)を解剖、検死する監察医だ。

館を埋める百八個の時計コレクション。鎌倉の森の暗がりに建つその時計館で十年前一人の少女が死んだ。

法月綸太郎のもとに深夜かかってきた電話。救いを求めてきたのはあのアイドル歌手畠中有里奈だった。

脱税や贈収賄にからまる連続殺人事件。若い新聞記者が腐敗した組織の内情糾明に挑む長篇推理。

パソコン通信を知ったマコトは、入団資格テストにみごと合格。飛鳥、ダイ、みずきとともに捜査会議に参加する。

小雨降る深夜、赤いレインコートの女が倒れていた。

「あれの処理はまかせるよ」──言い遺して次期首相候補の秘書が死んだ。

雨ニモマケズ、風ニモマケズ浅見光彦“幽霊”を追う。宮沢賢治の「理想郷」(イーハトーブ)花巻で起こる連続殺人。

三カ月前に交通事故で死んだはずの不倫相手によく似た男を、街で見掛けたOL。そんなはずは…。

長・谷内の娘が失踪。公園の記念碑の台座の裏で死体となって発見された。

二十一世紀を迎えて間もない八重山諸島沖で、惨劇は突然にその幕を上げた。

古い洋館から、すすり泣く声が…。美帆と圭が不思議な事件に挑む。

評論家の灯子は子供を預け先で死なせた経験を本にし世に出た。弁護士の真希子は身勝手な夫に悩んでいる。

K大を受験する温水さゆりをホームステイさせることになった片山刑事。そのK大の教授が殺された。

暗闇の中の銃弾が、女を変える。男を変える。

ハーヴァード大学の犯罪学教授クリス・シェリダンは、同棲していた恋人グレイスと別れた後、半年間アイルランドに行き、自分のルーツを調べた。

フランス革命前夜、パリからはなれた田舎町モンティニー。ひとりの男爵が、妻を寝とられ、狼に変身する。

「香港返還」をめぐる英・中・米・日4カ国の壮大、凄絶な謀略戦。興奮と感動の超弩級サスペンス。

チミケップ湖に幽霊が出る―北海道北見市の南に位置し、観光客もあまり訪れぬ山あいの小さな湖。

「新本格」の旗手の1人としてデビューしながら、4年間の沈黙を破り挑む、ミステリのフロンティア。

八百長で球界を追われた名投手・本多陽一郎は、パリで地味な生活を営む。

パリ効外の団地で、結婚式をあげたばかりの花嫁が射殺される。

マエストロ・ルイス・パッサウ。世界屈指のオーケストラ指揮者でありながら、ナチやKGBとの関係が噂される謎めいた人物。

生れ故郷のドイツ、一家で移住したニューヨーク、ギャング抗争のさなかに過ごしたシカゴ、そしてハリウッド映画界へ―自らの生涯を振り返るマエストロの話は、あたかもアラビアン・ナイトのごとくつづく。

雨の夜、いきなり車に飛び込んで重傷を負った女が、病院から失踪、謎めいた言葉を残して茅ヶ崎の海に消えた。

「今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし」その予言どおり、紅霊教教祖の孫娘が一人、湯船の中で血まみれになって殺されていた。

邪教集団「ジェズリールの家」の近くで、小学生17人を乗せたスクールバスが、AK‐47銃で武装した男たちに取り囲まれ、子供たちは地面に掘った穴の中で人質になった。

家庭内暴力や学校でのいじめなど、それぞれに心の傷を負った人々が集まって暮らす「駆け込み団地」。

時は1870年。理想の音楽を求めて止まぬベルシュタイン公爵。

「魔の山」双葉山で発生した恐るべき大量殺人事件から三年―。正体不明のあの殺人鬼が、新たな獲物を求めて山を降りてきた。

真面目な昼間の貌の裏に暗い野望を秘めた男・朝倉哲也。

ニセの大学合格通知で人生を狂わされた受験生が、温泉地・指宿で殺された。

夫が殺人犯。新進女流ミステリー作家の三城雅子は途方に暮れてしまった―。

その夜、平井美加は驚きのあまり鳥肌をたてた。一等一千万円の宝くじが当ったのだ。

見知らぬ人の手帳にあなたの名前が…。失踪した新妻が心中…。

熊谷市内を流れる荒川で男の変死体が発見された。被害者は上流の八高線の鉄橋を走る列車から突き落とされたと推定された。

歌舞伎町のラブホテルで男の変死体が発見された。男は“影の総裁”といわれる政財界の黒幕の黒金計であった。

屈折したアダルトのセックスレス・セックス、闇汁パーティ、痴漢電車、夜這いマンション、少女狩り、貝合わせ世紀末性風俗の断面を鮮烈に抉り、現代ポルノに新たな窓を開く。

有坂は作家である。それも売れない作家だ。

老舗の京菓子店当主が轢き逃げ事故で死亡した。遺産は二十億円以上。

明とミユキは大学生。何の因果か心中をしかけたが、意識を失っただけで気づいてみると、江戸・綱吉の治世にタイムスリップ。

校舎改築で出世を企む悪徳校長。

「関係者諸君、おれはついに帰ってきた。

略奪されたラムゼー修道院から寄進を募るために副院長補佐と見習い修道士がやって来た。

「蓬莱山の黄金、鬼道の力、そして空海の秘宝“四殺”を手中にした者が覇者となる」四殺を狙う腐鬼一族に捕らわれた精神(サイコ)ダイバー九門鳳介は、熊野山中で莫大な黄金を目撃した。

リュシアンはいつも独りぼっちだった。

1961年10月17日、パリでは大規模なアルジェリア人デモが繰り広げられていた。

コンピューター・ゲーム『まぼろしの遊撃隊』に熱中する金剛商事常務貴野原の美貌の妻聡子は株の投資に失敗し、夫の全財産を抵当に、巨額の負債を作っていた。

長野県蓼科温泉の近くで殺人事件が起った。

ズニ族の少年と、その友人であるナヴァホ族の少年が行方不明になった。

「スピードをもっとあげろ。ぶっ飛ばせ」私、めぐみ幼稚園の妹尾睦月です。

ここ“エッグ・スタンド”はカクテルリストの充実した小粋な店。

「どこまでも殺されていく僕がいる。

万年夜勤刑事から失踪人課の長へと変ったパウダー警部補だが、状況の悪さはそう変らない。

青森県の十二湖駅で女性タレントが誘拐された。日本海沿いを走る五能線の無人駅での犯行だった。

人気超能力者の田代貢が念力による殺人を宣言、批判者の大学助教授が自宅で死んだ。凶器、目撃者がない、立証不能の犯罪である。

過去を隠しカタギのサラリーマンと幸せな生活を送っていた多恵子は、札幌に進出をねらう関西資本と、それを阻止しようとする地元ヤクザとの抗争に突然巻き込まれる。

女の名はオリーヴ・マーティン、現在、無期懲役の刑に服している。

「トンネル内で幼稚園児の送迎バスが消失」柊正雄判事補は、ドライブ途中、清滝トンネルの手前で警官から停止を命じられた。

『日東スポーツ』紙の競馬記者佐伯俊彦は、競走馬ワンダーボーイの馬主の娘・北村恵子と知り合った。

警視庁顧問探偵・尾高一幸は、南紀白浜で旅館を経営する叔父・太田徹のはからいで、見合いに招かれた。

天使の快楽と引き替えに、沢村は音楽家(ギタリスト)の命である指を失った。

「私は小説を書くようになって、昔からの友だちを失った」 花村万月初めてのエッセイ集。

江馬淳二は交通事故で記憶喪失になる直前、看護婦殺人事件の犯人を目撃していた。

すべての子どもは、文法の基本原理を生まれつき持ちあわせて誕生するが、3歳までにどのように天才的に言葉を習得するのか。

「〈自閉〉から往還へ」の軌跡を追い、大江健三郎が「経験の弁証法」により作家であり続けた意味を問う。